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1 : お姉ちゃん 2024/07/10 20:09:01 ID:H24mEsmN6k
「やだあああああああああああああああああああああああ!!!」

2 : ダンナ 2024/07/10 20:09:27 ID:H24mEsmN6k
「やだっ!やだっ!やだっ!」

3 : 相棒 2024/07/10 20:11:20 ID:H24mEsmN6k
「やーだー!やだやだやだやだやだやだやだあああああああああああああああああああああああ!!!」

4 : アナタ 2024/07/10 20:12:05 ID:H24mEsmN6k
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

5 : トレーナーちゃん 2024/07/10 20:13:38 ID:H24mEsmN6k
「…………」
(姉上があそこまでガチ泣きするのは、小学生の頃に余がインフルエンザで42℃出して寝込んだ時以来か……)

6 : アナタ 2024/07/10 20:17:20 ID:H24mEsmN6k
「おや、オル。見苦しいところを見せてしまったね。ちょっと待ってくれるかい、今寝る前のカモミールティーの用意を――」
「……あのトレーナーに彼女が?


「ア”ア”ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!」
「姉上えええええええええええええ!!!」

8 : アナタ 2024/07/10 20:21:08 ID:H24mEsmN6k
「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!!」
「あ、姉上!余が悪かったから、うつ伏して叫ぶのはやめよ!!!姉上!」


「ああ……なぜ、なぜですか、トレーナーさん……」

10 : 大将 2024/07/10 20:23:48 ID:QPTihyvuuc
お労しや姉上

7 : トレーナー君 2024/07/10 20:18:57 ID:5tLitpRLUk
ドリジャさんかわいいね

11 : 相棒 2024/07/10 20:27:14 ID:H24mEsmN6k
「……すまないね、オル。最近、ちょっとナイーブになってしまっていてね。トレーナーさんのことを考えると、魂から暴力性が湧き出てきて、叫ばずにはいられないんだ」
「———なにがあった?」
「……あれは、今日の昼休み後のことだよ」

13 : トレーナーさま 2024/07/10 20:34:18 ID:H24mEsmN6k
――トレセン学園、トレーナー室にて。
「トレーナーさん。午後もよろしくお願いします」
「ああ、ジャーニー。ちょっと待っててくれる?今、大事な電話をしていて」
「ええ、分かりました」
(トレーナーさん、かなり真剣な顔をしていますね。なにかお力になれることがあれば良いのだが……)
「ごめん、お待たせ。電話終わったよ」
「トレーナーさん。差し支えなければ、お電話の相手が誰なのか、聞かせて頂いてもよろしいですか?」

14 : アンタ 2024/07/10 20:38:22 ID:H24mEsmN6k
「ああ、彼女さんだよ」
「か、かのっ!?」


「うん、彼女さん。父さんが――――」
(その後の記憶は曖昧だった。記憶力には自信があるはずだったが、トレーナーさんのその言葉を聞いた瞬間、あまりのショックで意識が飛んでしまっていた。どうやってトレーニングをこなし、遠征支援委員会の全ての業務を終えて、寮まで帰って来たのか、まったく記憶に残っていないのだった)

15 : お兄ちゃん 2024/07/10 20:45:55 ID:H24mEsmN6k
「――――というわけだよ」
「姉上」
「なんだい?」
「余は知っている。姉上が長い旅に出ている間、あのトレーナーが『ジャーニーがステイゴールドを探すたびに出たのは、いいことなんだろうな。でも、さびしいよォォォォ……ジャーニー……いつものように、電話くれよ……待ってるから……ジャー……ニー……』と、毎日トレーナー室の机にうつ伏して泣いていたのを」
「トレーナーさんもうつ伏して泣いていたとは、ふふッ、似た者同士ということだね」
「姉上のは、慟哭というか、猿叫というか……」

16 : マスター 2024/07/10 20:53:44 ID:H24mEsmN6k
「とにかく、余はあのトレーナーが姉上に黙って恋人を作るとは思えないのだ」
「でもでも、最近お出かけしようと誘っても断られるし、トレーニング中に困った顔をしてるのに私に相談してくれないし、なんだか距離を感じるんだよ、トレーナーさんとの」
「それは、姉上の裏があると思わせるような態度が……」

17 : モルモット君 2024/07/10 20:55:26 ID:H24mEsmN6k
「邪ッッッ!!!」
「ひゃっ!」

18 : モルモット君 2024/07/10 21:00:56 ID:H24mEsmN6k
「オル、大丈夫だよ。当たったのはサンドバッグだ」
「そういうの良くないとおもう余」
「とにかく。毎日見ているトレーナーさんのSNSにも、トレーナーさんの動向にも、トレーナーさんの通話記録にも、コバエの気配は全くなかったのに、なぜトレーナーさんに彼女ができたのか。そして、トレーナーさんを彼女さんから、私の下に取り戻すためのプラン。この二つを考えて――――」
「姉上」
「なんだいオル?」

19 : トレーナーちゃん 2024/07/10 21:08:33 ID:H24mEsmN6k
「――本当にあのトレーナーが大切なら、その恋を応援してやるべきでは?」


「やめなさい!オル!それ以上言うんじゃない!!!」


「……あの、容易くて安っぽいトレーナーに、ようやく恋人ができたのだ。祝福して、二人の旅路を彩るプランを考えるのが、姉上の務めでは?」
「オル!お前にはまだトレーナーがいないから、そんな残酷な正論を言えるんだ!三年間、絶対の信頼をおけるトレーナーと二人三脚で走り続けたら、そんなことは口が裂けても言えないはず!」
「……トレーナーの幸せを願わぬウマ娘がどこにいる!!!」
「うわあああああああああああああああああああああ!!!」

20 : マスター 2024/07/10 21:15:36 ID:H24mEsmN6k
「うわあああああああああああああああああああああ!!!」
「姉上えええええええ!!!どこに行く姉上えええええええええええええ!!!」


「うわあああああああああああああああああああああ!!!」

「姉上えええええええ!!!物に当たるな姉上ええええええええええええ!!!」


「うわあああああああああああああああああああああ!!!」

「姉上えええええええ!!!そのキックは死が見えるからやめよ姉上えええええええ!!!」

22 : お姉さま 2024/07/10 21:20:13 ID:H24mEsmN6k
「…………オル」
「……なんだ?姉上」
「オルのおかげで改めて分かった。本当に幸せになって欲しい相手には、最大限の手助けをするべきだと」
「分かってくれたか姉上」
「ああ、心が晴れやかだ……真夏の澄んだ青空のように……」
「もう、叫んだり、泣いたりしなさそうか?」
「大丈夫だよ、オル。もう私は大丈夫だ。さあ、カモミールティーを淹れよう。甘いカモミールティーを飲んで、ゆっくり寝よう」
「……そうだな、姉上」

23 : 使い魔 2024/07/10 21:22:01 ID:H24mEsmN6k
――翌日。トレセン学園、トレーナー室にて。

24 : トレぴ 2024/07/10 21:31:00 ID:H24mEsmN6k
「今日もよろしくお願いします、トレーナーさん。おや、電話ですか?また彼女さんからでしょうか?ええ、いいですよ。トレーナーさんにとって大切な人でしょうから、心ゆくまでどうぞ。それにしても、彼女さんとお話している時、トレーナーさんはいつもしかめっ面ですね。そんな顔は貴方に似合いませんよ。もし私が彼女さんなら、絶対にトレーナーさんにそんな顔はさせませんが。それとも、別れるのが少々難しいお相手なのでしょうか?もしそうでしたら、私に『すべて』お任せいただければ、明日にでも解決できますよ。トレーナーさんを悲しませるような人は、コバエよりもたちが悪いので。そもそも、いつも私の香水をかけているのに、なぜコバエが寄ってくるのか。香りを強めにした香水をお渡しすべきでしょうか?トレーナーさんが希望されるなら、すぐにあの香水店に連絡いたしますが。それよりも、トレーナーさんとその彼女さんの関係に、なにか問題があるなら……」

26 : お姉さま 2024/07/10 21:40:58 ID:4fvnybxLd.
さっそく不穏で芝

25 : お兄ちゃん 2024/07/10 21:39:50 ID:H24mEsmN6k
「え?『彼女さん』じゃなくて、『介助さん』?」

27 : 貴様 2024/07/10 21:45:44 ID:H24mEsmN6k
「詳しく……」


「説明して下さい。」


「今、私は冷静さを欠こうとしています。」

28 : お兄さま 2024/07/10 21:51:02 ID:H24mEsmN6k
「えっ、トレーナーさんのお父様が階段から落ちて、大腿骨を骨折!?退院したはいいけど、仕事に行けなくて介助さんに手伝ってもらってるんですか!?その料金のために、仕送りを多めにしてるから、お出かけの回数を減らしていたんですか……昨日説明したはずって、すみません、あの時意識が曖昧になってしまっていて……」

29 : お前 2024/07/10 22:02:20 ID:H24mEsmN6k
「……本当にすみませんでした、勝手に勘違いしてしまって。もしよければ、お詫びの気持ちを込めて、お見舞いに行かせて頂けませんか?お父様が良くなるよう、全力を尽くしますので。……ジャーニーも色々忙しいだろうって?トレーナーさんの家族は、私の家族も同然ですから!一日時間を空けるくらい、朝飯前の茶漬け前ですよ!……ええ、今週の日曜日に家族全員で集まると。分かりました、その日にお邪魔させていただきます」

31 : お兄さま 2024/07/10 22:14:40 ID:H24mEsmN6k
(そういう経緯で、ドリトレの父親のお見舞いに行ったドリームジャーニー。ドリトレの父親はドリームジャーニーがドリトレに熱い視線を向けているのを見て、ドリトレに恋人ができたと勘違いし、喜びのあまり大腿骨が急速再生して、無事に完治した。ドリトレの母親と介助士のウマ娘はドリームジャーニーと意気投合し、ドリームジャーニーが持参した茶葉とお菓子で、楽しい時間を過ごすことができた。こうして、ドリームジャーニーはドリトレの外堀をさらに埋めることに成功したのだった)

32 : 大将 2024/07/10 22:15:39 ID:H24mEsmN6k
(終わり)

34 : トレピッピ 2024/07/10 22:20:14 ID:VY1HH49NzY
余は姉上の一人相撲に振り回されただけだった余。

36 : トレ公 2024/07/10 22:23:22 ID:EjcVI9LXdE
>>34
元気出せ余

41 : 相棒 2024/07/11 05:26:53 ID:MDDUrML5AE
これは神スレ

40 : お兄さま 2024/07/10 23:26:21 ID:RR5m8Q/Tws
ひたすらにジャーニーが可愛いSSだった
次作が楽しみ

43 : トレーナーさん 2024/07/11 15:54:55 ID:AJDUI/Vei2
勢いが超好みだった。

35 : 相棒 2024/07/10 22:21:07 ID:3zRJ1ehajk
もしかしてドリームジャーニーってとても可愛い生き物なのでは?

38 : トレ公 2024/07/10 22:39:37 ID:4fvnybxLd.
お父さんは化け物なの?

42 : トレ公 2024/07/11 06:45:18 ID:p5s63ICriE
大腿骨急速再生は化け物すぎるあそこ治るの本当に時間かかる部位なんだぞ

引用元:トレーナーに彼女ができたと思い込むドリームジャーニー